モータ音の作り方
MotorX.wav

ここでは、波形編集ソフト WavePaseri を使った方法を説明をします。


1. パソコンに音を取り込みます。

2. 力行開始を 0 秒にするため、モータ音のない頭の部分をカットします。モータ音はだんだん大きくなりますが、この辺は勘で。

3. 変調点の時間を調べます。変調点が入るように範囲選択し、部分再生で再生しながら選択範囲の終点を変調点に合わせていきます。ピッタリ合ったと思ったら、ステータスバーに示された選択範囲終点の時間を読みとります。このようにして下のような表をつくります。

  時間[s] 速度[km/h]
  0.000 0.00
A | |
  1.234 3.09
B | |
  3.456 8.64
C | |
  5.678 14.20
D | |
  ... ...

時間[s]に加速度[km/h/s]をかけて速度[km/h]を計算します(定トルク域でのみ有効)。おおよその加速度は、ジョイント音から測定できます。例えば、“ガタン・ゴトン”の“ガ”が 12.568 秒、“ゴ”が 13.241 秒、車体長が 20m、台車間隔が 14m のとき、平均速度は、
3.6 x (20 - 14) / (13.241 - 12.568) = 32.10[km/h]
加速度は、
2 x 32.10 / (12.568 + 13.241) = 2.49[km/h/s]

4. ループ再生できるように加工していきます。ここでつくる変調音は、上の表の C とします。C の中から最もクセのない部分、約 3 秒を選びます(サンプル)。

5. 全体にかかるノイズ(走行音など)を取り除きます。それには WAVhum をおすすめします。つよさ設定は 30 が適当なようです。

6. WavePaseri にもどって、瞬間的なノイズ(連結器の音、ビニール袋の音など)を切り落とします。その後『全てを選択』して『コピー』、最後部に『貼り付け』してそのまま『リバース』します。これで反転複写されます。『全てを選択』してループ再生してみてください。“シュッ・シュッ”とか“ゴッ・ゴッ”とか気になる音が入っていたら(サンプル)、もう一度ファイルを開いてそれらを切り落とします。切り落とす場所は、下の図のように、ゼロ付近で安定していて、対象になっても不自然にならないところを選びます。

ノイズが気にならなくなるまでこれを繰り返します(サンプル)。

7. 反転する前のサウンドを、『ピッチエンベローブ』を使って音程を一定にします。確認のしかたは、始めと終わり 0.1 秒ほど残してカットし、全体再生するとよいです。

8. 『パラメトリックイコライザ』を使ってさらにノイズを除去します。下のような設定が適当なようです。

9. 反転複写した後、サンプリングレートを 22.05K に『フォーマット変換』します。これでモータ音は完成です(サンプル)。ここでは、Motor2.wav とします。

10. 速度とピッチの関係を調べます。 C から D へ変調する直前の 0.1 秒ほどを選択し部分再生します。それと音程が合うように、別のウィンドウで開いた Motor2.wav の『ピッチ』を調整します。例えば、123% で一致したとすると、速度-ピッチの関係は (14.20, 123) となります。もし、速度に比例しない変調音の場合は、2 点調べなければなりません。

11. 車両エディタで、(0, 0) と (14.20, 123) を通るインデックス 2 のピッチ線を 8.6km/h から 14.0km/h まで描きます。車両エディタの詳細については、こちらをご参照ください。

12. BVE を起動し、実際に聞いてみます。不自然だったら、変調音 B や D をミックスしたり、同じ C でも低速と高速で 2 つのサウンドをつくってフェードで変えるなどして調整していきます。

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